先に行ったらあかんで
68歳 男性 《家族から 患者さんご本人へ》
背景
完治のない骨髄の癌・多発性骨髄腫と診断されました。遠方に暮らす母(96歳)には治療に半年はかかると伝えていました。そして9か月後、ツルツル頭で、むくんだ顔で、「治ったで!」と言いに母を訪ねました。息子の顔を見て大変な病気に罹っていると認識したのでしょう。それから2年後、母が天国へ行くまで、さよならの挨拶は「先に行ったらあかんで」でした。母は子供4人のうち2人を先に失っていたのです。
この子の為に生きてほしい。息子は一歳半でした。子宮癌で、生存率50%と言われて居たそうです。もう29年たちました。
57歳 女性 《家族から 患者さんご本人へ》
背景
この子に自分の事を忘れられない歳まで生きたい、ただそれだけでした。そして29年経った今、放射線の後遺症で人工肛門、腎ろう。人工肛門は今年の2月、腎ろうは9月20日に手術を行いました。今はオストミー関連の団体に入り同じ障害を持った方々のお話を聞いて勇気を頂き、有料老人ホームで介護の仕事をさせて頂き、週一回水曜日には手話をならいに行っております。どうか癌で頑張って居らっしゃる方、癌になんて負けないで下さい。
つらいことも悲しいことも生きている証拠
51歳 女性 《家族から 患者さんご本人へ》
背景
理由は忘れましたが、落ち込んでいるときに家族から言われました。
邪魔?そんなことないよ。メールしていいよ。私も、するよ。まだおきてるから。
24歳 女性 《家族から 患者さんご本人へ》
背景
入院中の夜に、母とのメールのやりとりの最中に言われた言葉です。入院中、夜になると急に不安になり毎日泣いていました。そんな中、母とメールをしていましたが、母は明日も朝早くから仕事だし、テレビも見たいだろうと思い、「邪魔してごめんね。おやすみ。」と私から送ったメールの返信の内容が、これでした。母は私のことをいつも心配してくれて、いつも私の味方でいてくれている…。本当は早く寝たいだろうに…。心に響いたメールです。
僕の薄毛は Permanent(永久)だけど 君のは Temporary(一時的)だからいいなぁ。
60歳 女性 《家族から 患者さんご本人へ》
背景
16年前に乳癌で抗がん剤治療をして髪が薄くなり始めた私に夫が言ったひとこと。薬のせいで髪が抜けることは主治医から聞いていて心の準備は出来ていたつもりでしたがいざ抜け始めるとやはり気分が沈みました。でもこのひとことで本当だ、私の髪は治療が終わればまた生えてくるんだ。その点 彼のは。。。2人で笑ってしまいました。
振り向いたら、君が本当にそこにいる。のが、幸せ。
51歳 女性 《家族から 患者さんご本人へ》
背景
再発してからは、気力も体力も低下気味だったのを懸念して、しばらく遠ざかっていた軽いハイキングにと、御神体のある山に夫婦で登りました。思ったよりばてることなく、休み休み登り切れました。先に歩く主人が振り向いてはこぼした言葉です。
病気が、あなたの人生の“味”になっていくよ。
43歳 女性 《家族から 患者さんご本人へ》
背景
41才で乳ガンがわかり、同居の義母も心配するほど落ちこみました。自分のなにが悪かったのか… 子供には遺伝するのか… 頭の中がいっぱいながらも、なるべく明るくふるまおうとするのですが、空まわりの日々。そんな時、義母がこの言葉をかけてくれました。今まで何も問題なく平凡に生きてこれたことに感謝するとともに、病気を人生の味つけ、糧、私の個性にしたい!と前向きにさせてくれました。
いつまでも二人で・・・笑顔でおしゃべりしよう
53歳 女性 《家族から 患者さんご本人へ》
背景
銀婚式を迎えてから、親の介護等で別居生活を送り始めたときに私の癌・余命宣告。今まで当たり前の日々がとても幸せな時間だったことを知りました。少しでも元気な姿で想い出をつくりたいから、お互いささやかな目標をもって笑顔で過ごしましょうとなりました。毎日、朝晩電話でおしゃべりしています。主人に感謝しています。病気になって多くの事を教えてもらい生きています。とても幸せです。
だけんなん?俺だっていつがんになるかわからんやろ?
44歳 女性 《家族から 患者さんご本人へ》
背景
がんになりいろんな問題で離婚をした私。もう二度と結婚はしない(出来ない)と想っていた私に出逢った今の主人が「私、がんなんだ」って言った時の彼の一言です。この人しかいないって想いました。
今まで私達の為に休みもなく働きづくめで私達の為に沢山頑張ってくれたんだから、ゆっくり休んでね。それがお母さんの今の仕事だよ。
52歳 女性 《家族から 患者さんご本人へ》
背景
母子家庭で3人の子供を育て、生きる為に、何とか普通の家族みたいなラインまでと必死で年中働いてきた私。あたり前のラインがいかに厳しく難しいものだと改めて知りました。お金があれば幸せかもしれないが、家族の絆だけは、どこにも負けないよ。貧しくても笑って乗り切れるように、子供達に伝えた。しかし、ガンになった時、ふさぎ込む私に長女17才がメールしてくれたこの言葉に涙が止まりませんでした。ありがとう。