効率を高め、イノベーションを一層推進するためには、組織のあらゆる部分において、デジタルテクノロジー、高度な分析技術(advanced analytics)、人工知能(AI)のさらなる活用が必要です。ノバルティスが収集した膨大な治験データは、重要な洞察をもたらす戦略的財産です。
データとデジタルテクノロジーが実現すること
- より良いデータを収集することができ、創薬アプローチや新薬創製に近づく方法をよりスマートで効率的にすることができます
- 何十年にもわたって収集したデータを分析し、データベースを更新し続けることで、病気の理解を深め、新たな治療戦略に生かします
- 医薬品開発に革新的でスマートなソリューションを適用し、研究開発の情報量と価値を増大させます
ノバルティスはデジタルテクノロジー企業などとの業種を超えた連携により、イノベーションを起こしていきます。
分散型治験・バーチャル治験
デジタルテクノロジーの活用により、グローバルでは大病院のような基幹となる治験実施施設だけではなく、治験参加者の自宅や地方の診療所で治験のすべて、もしくは一部を実施することが可能となる方法を検討しています。分散型治験のテクノロジーとデザインをリードするScience 37 社との戦略的提携を拡大し、今後3 年間で最大10 件の新たな治験への応用を開始予定。治験実施施設をほとんど設置せずとも自宅などから治験に参加できるモデルの確立を目指します。
AI・ビッグデータを活用した取り組み
ノバルティスが持つ乳がんの専門知識と、IBM ワトソン・ヘルスのデータ解析・機械学習能力を結合。患者さんのリアルワールドデータとコグニティブ・コンピューティングを活用して、患者さんにとってどの治療が最適か医師の理解を深めたり、診療ガイドラインについて助言できるようにするためのソリューションを見つけ、患者さんのアウトカムと治療経験の改善を目指します。今後、乳がん以外の分野への応用も期待されています。
IoTの活用
センサー技術を用いて、中枢神経系の慢性疾患「多発性硬化症(MS)」の運動機能障害を数値で評価し、臨床試験の向上や障害の経時的な変化の把握に役立てるデジタルツール「Assess MS」をマイクロソフト社と開発中。MS 専門医を受診することが難しい地域でも、精度の高い障害評価を可能とするだけでなく、MS 以外の疾病によって起こる運動機能障害の評価をも可能とする画期的なツールです。