Aug 15, 2024

 

プレスリリース

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

ノバルティス ファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:レオ・リー、以下「ノバルティス ファーマ」)は、本日、発作性夜間ヘモグロビン尿症(以下、「PNH」)に対する補体B因子阻害剤「ファビハルタ®カプセル 200mg」(一般名:イプタコパン塩酸塩水和物、以下「ファビハルタ」)を新発売しました。

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ファビハルタは新たな作用機序により補体C5阻害剤による適切な治療を行っても十分な効果が得られないPNH成人患者さんのヘモグロビン値と生活の質(QOL)を改善する、単剤で使用可能な唯一の経口治療薬です。PNHは後天性の遺伝子異常により赤血球が補体の攻撃を受けやすくなる血液疾患で、血管内で赤血球が補体により破壊され溶血が起こります1,2,3。ファビハルタは血管内外両方の溶血を抑制し、ヘモグロビン値を正常値(または基準値)近くまで改善することで、貧血や疲労をはじめとするPNHに残存しうる課題に包括的に対処できることが証明されています4。さらに、患者さんを輸血などの侵襲的な処置を伴う治療から解放することが期待されます。

ノバルティス ファーマの代表取締役社長であるレオ・リーは、次のように述べています。「治療によりPNHの病状が改善しても、ヘモグロビン値が基準値に到達せず、仕事や趣味などの日常生活をあきらめざるを得ない患者さんにファビハルタという利便性と効果を兼ね備えた画期的な治療選択肢をお届けできることを嬉しく思います。ファビハルタは、弊社が補体系の活性を制御する最も効果的な方法について20年以上にわたって革新的な研究を推し進めた集大成です。PNHのほかにもいくつかの希少疾患を対象として開発が進められており、私たちはこれからも患者さんのより充実した、すこやかな毎日のために、医薬の未来を描き続けます。」 

PNHについて

PNHは、後天性の遺伝子異常により赤血球が補体の攻撃を受けやすくなる血液疾患で、補体に対する防御タンパクを失った赤血球(PNH赤血球)が血管内で補体の攻撃を受けて破壊されます。病名の由来となっている早朝のヘモグロビン尿が診断時に確認できる患者さんは全体の1/4~1/3程度と多くなく、貧血や疲労感、血栓症など患者さんごとに受診時にかかえる状態はさまざまです。日本における推定患者数は約1,000人と非常にまれな疾患で、全世界でみても、100万人当たり10~20人と推定されています。PNHはどの年齢でも発症する可能性がありますが、その多くが30〜40歳で診断されています。溶血所見に基づく重症度分類によって中等症以上と判定された場合は、「指定難病」に認定されます。

ファビハルタについて

ファビハルタは、補体第二経路上流でB因子と結合してその活性を阻害することで、C3転換酵素の活性を阻害して第二経路の活性化を阻害する作用機序を有する補体B因子阻害剤です。PNH型赤血球に対して膜侵襲複合体(MAC)形成の阻害およびC3フラグメントの蓄積(オプソニン化)を阻害し、血管内溶血だけではなく、血管外溶血も抑制します。溶血をコントロールすることで貧血や疲労の改善、輸血の回避が期待されています。本品はPNHに対する治療薬として2023年12月にFDA(米国食品医薬品局)、2024年5月にはEMA(欧州医薬品庁)で承認を受けています。本邦においても2024年6月24日、PNHを効能又は効果として、製造販売承認を取得しました。

ノバルティス ファーマ株式会社について

ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く革新的医薬品のグローバル製薬企業、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実した健やかな毎日のために、「医薬の未来を描く(Reimagining Medicine)」ことを追求しています。
詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.co.jp(link is external)
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参考文献

  1. Hill A, DeZern AE, Kinoshita T, et al. Paroxysmal nocturnal haemoglobinuria. Nat Rev Dis Primers; 2017, 3:17028.
  2. Brodsky RA “Paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Blood;” 2014, 124(18):2804-11.
  3. 特発性造血障害に関する調査研究班,『発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド令和4 年度改訂版』. Accessed Jun 23, 2023. http://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Paroxysmal_nocturnal_hemoglobinuria.pdf
  4. ファビハルタ カプセル 開発資料

     

<参考資料>
「ファビハルタ®カプセル」の製品概要

製品名: 
「ファビハルタ®カプセル 200mg」(Fabhalta® Capsules)

一般名:
イプタコパン塩酸塩水和物
(Iptacopan Hydrochloride Monohydrate)

効能又は効果*:
発作性夜間ヘモグロビン尿症

用法及び用量*:
通常、成人にはイプタコパンとして1回200mgを1日2回経口投与する。

承認取得日: 
2024年6月24日

薬価基準収載日:
2024年8月15日

発売日:
2024年8月15日

薬価:
73,218.10円

製造販売(輸入):
ノバルティス ファーマ株式会社

*「効能又は効果に関連する注意」、ならびに「用法及び用量に関連する注意」の詳細については、電子化された添付文書(電子添文)をご覧下さい。

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