Nov 18, 2024

プレスリリース

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2024年10月29日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.com をご参照下さい。

  • 2024年第3四半期の売上高は10%増(実質ベース1、米ドルベース 9%増)、コア営業利益は20%増(実質ベース、米ドルベース 17%増) 
    • エンレスト(実質ベース 26%増)、コセンティクス(実質ベース 28%増)、Kisqali(実質ベース 43%増)、ケシンプタ(実質ベース 28%増)、Pluvicto(実質ベース 50%増)、レクビオ(実績ベース119%増)などの製品が、引き続き増収を牽引
    • コア営業利益率は、主に売上高の伸びが寄与し、3.4ポイント増(実質ベース)の40.1%
  • 2024年第3四半期の営業利益は123%増(実質ベース、米ドルベース 106%増)、純利益は121%増(実質ベース、米ドルベース 111%増)
  • 2024年第3四半期のコアEPSは、20%増(実質ベース、米ドルベース 18%増)の2.06米ドル
  • 2024年第3四半期のフリーキャッシュフロー1は、60億米ドル(米ドルベース 18%増)となり、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与
  •  2024年1-9月期の売上高は11%増(実質ベース、米ドルベース 9%増)、コア営業利益は20%増(実質ベース、米ドルベース 17%増)
  • 2024年第3四半期の研究開発における主なマイルストーン:
    • Kisqali – HR陽性HER2陰性早期乳がん(ステージⅡおよびⅢ)の適応が、米国食品医薬品局(FDA)の承認ならびに欧州医薬品委員会(CHMP)の承認勧告を得る
    • ファビハルタ(イプタコパン) – IgA腎症適応がFDAに迅速承認される
    • Pulvictoタキサン系化学療法前の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)適応をFDAに申請
  • 2024年通期業績予想を上方修正2 
    • 売上高は、10%台前半の成長率を予想(一桁台後半から10%台前半の成長率へ上方修正)
    • コア営業利益は、10%台後半の成長率を予想(10%台半ばから後半の成長率へ上方修正)

20241029日、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2024年第3四半期の業績について、次のようにコメントしています。
「ノバルティスは、第3四半期も10%の増収とコア営業利益の20%の増益を達成するなど、力強い業績を達成しました。すべての主要な成長製品が好業績に寄与しました。ノバルティスは米国において、Kisqaliの早期乳がん適応ならびにファビハルタIgA腎症適応の効能追加を取得したほか、PluvictoPSMAfore試験のデータを申請しました。事業ならびにパイプラインの好調に伴い、私たちは、再び2024年の通期業績予想を上方修正することができ、中期見通しの達成に自信を持っています」

主要数値

第3四半期(7~9月)

 

継続事業3

 

2024年
第3四半期

2023年第3四半期

前年同期比(%)

 

百万米ドル

百万米ドル

米ドルベース

実質ベース

売上高

12 823

11 782

9

10

営業利益

3 627

1 762

106

123

純利益

3 185

1 513

111

121

1株当たり
純利益(EPS)

(米ドル)
(米ドル)  
 

1.58

0.73

116

127

フリーキャッシュ
フロー

5 965

5 043

18

 

コアベース

 

 

 

 

営業利益

5 145

4 405

17

20

純利益

4 133

3 585

15

17

1株当たり
純利益(EPS)

(米ドル)

(米ドル)
  
 

2.06

1.74

18

20

1-9月期(1~9月)

 

継続事業3

 

2024年1-9月期

2023年1-9月期

前年同期比(%)

 

百万米ドル

百万米ドル

米ドルベース

実質ベース

売上高

37 164

34 017

9

11

営業利益

11 014

7 187

53

61

純利益

9 119

5 934

54

62

1株当たり
純利益(EPS)
(米ドル)(米ドル)  
 

4.50

2.84

58

67

フリーキャッシュ
フロー

12 618

11 019

15

 

コアベース    
営業利益

14 635

12 551

17

20

純利益

11 822

10 320

15

18

1株当たり
純利益(EPS)
(米ドル)(米ドル)  
 

5.83

4.95

18

21

1 実質ベースの数値、コアベースの業績ならびにフリーキャッシュフローは、国際会計基準(IFRS)に準拠していません。IFRSに準拠していない数値の説明は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の46ページに記載されています。本リリースに掲載される成長率は、特に記載のある場合を除き、すべて前年同期に対するものです。2 業績予想の前提条件に関する詳細は、7ページ(英文オリジナル版プレスリリース)をご覧ください。3 要約版業績報告書(英文オリジナル版)の35ページに記載されるとおり、継続事業には、イノベーティブ メディスン事業ならびに継続する企業活動からなるノバルティスに残る事業活動が含まれ、非継続事業には、サンド事業の業績が含まれます。

戦略

事業の集中

2023年、ノバルティスは、革新的医薬品に特化した製薬企業への転換を完了しました。ノバルティスは、4つのコア疾患領域(循環器・腎臓・代謝、イムノロジー、中枢神経、オンコロジー)に明確に焦点を合わせ、この4つの疾患領域のそれぞれに、負担が大きい疾患に対する治療薬であり、大きな成長の可能性を持つ複数の上市済みならびに開発中の製品を持っています。また、ノバルティスは、既存の2つの技術プラットフォーム(低分子医薬品、抗体医薬品)に加え、新たに3つのプラットフォーム(遺伝子・細胞治療、放射性リガンド療法、核酸医薬品)の研究開発力および生産規模の拡大に、優先的かつ継続的に投資しています。地理的な面では、優先地域である米国、中国、ドイツ、日本での成長にフォーカスしています。

優先課題
  1. 成長を加速:すべてのコア疾患領域における豊富なパイプラインにより、価値の高い医薬品(新規化合物)の供給に再注力するとともに、優れた上市活動にフォーカス
  2. 株主への還元:卓越した事業運営と財務業績の改善を継続。資本配分における規律と株主中心の継続、ならびに資金生成と、資本の柔軟性を支える強力な資本構成の実現
  3. 基盤の強化:社員の能力の最大化、データサイエンスおよび技術の規模拡大、社会との信頼関係構築の継続


財務業績

2023年9月15日の株主によるサンドの独立の承認後、ノバルティスは、当期ならびに過去の会計年度の連結業績報告書を「継続事業」と「非継続事業」に分けて報告しています。

継続事業には、イノベーティブ メディスン事業ならびに継続する企業活動からなるノバルティスに残る事業が含まれます。非継続事業には、サンド事業部門およびサンドの事業に関連する一部の企業活動、さらに、独立に関わる特定の費用が含まれます。

この後の説明は、継続事業に関するものが中心ですが、非継続事業についての情報も提供しています。

継続事業
2024年第3四半期(7~9月)

2024年第3四半期の売上高は、販売量の12ポイントの貢献があり、128億米ドル(9%増、実質ベース 10%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は2ポイント、価格による影響はありませんでした。

営業利益は、減損費用の減少と売上高の増加が研究開発費の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、36億米ドル(106%増、実質ベース 123%増)となりました。

純利益は、主に営業利益の増加により、32億米ドル(111%増、実質ベース 121%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.58米ドル(116%増、実質ベース 127%増)となりました。

コア営業利益は、売上高の増加が研究開発費の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、51億米ドル(17%増、実質ベース 20%増)となりました。コア売上高営業利益率は、2.7ポイント増(実質ベース 3.4ポイント増)の40.1%となりました。

コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、41億米ドル(15%増、実質ベース 17%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、2.06米ドル(18%増、実質ベース 20%増)となりました。

継続事業のフリーキャッシュフローは、継続事業にかかわる営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与し、前年同期の50億米ドルから60億米ドル(米ドルベース 18%増)に増加しました。

2024年1-9月期(1~9月)

売上高は、販売量の14ポイントの伸びに牽引され、372億米ドル(9%増、実質ベース 11%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は2ポイント、価格低下によるマイナス影響は1ポイントでした。

営業利益は、売上高の増加と減損費用および事業再編費の減少によるプラス効果が、前年同期に係争関連の一時的な収入があったこと、ならびに研究開発費の上昇に伴うマイナス効果により一部相殺され、110億米ドル(53%増、実質ベース 61%増)となりました。

純利益は、主に営業利益の増加が寄与し、91億米ドル(54%増、実質ベース 62%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、4.50米ドル(58%増、実質ベース 67%増)となり、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与しました。

コア営業利益は、売上高の増加による増益効果が、研究開発費の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、146億米ドル(17%増、実質ベース 20%増)となりました。コア売上高営業利益率は、2.5ポイント上昇(実質ベース 3.2ポイント増)し、39.4%となりました。

コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、118億米ドル(15%増、実質ベース 18%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少によるプラスの影響があり、5.83米ドル(18%増、実質ベース 21%増)となりました。

継続事業のフリーキャッシュフローは、継続事業にかかわる営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加に伴い、前年同期の110億米ドルから126億米ドル(米ドルベース 15%増)に増加しました。

非継続事業

非継続事業の業績には、サンドのジェネリック医薬品およびバイオシミラー事業部門、サンドに関連する一部の企業活動、さらに、サンドの事業の独立に関わるそのほかの特定の費用が含まれます。

2024年第3四半期(7~9月)

サンドの独立は2023年10月3日に完了したため、2024年第3四半期には非継続事業の業績の計上はありません。2023年第3四半期の非継続事業の売上高は25億米ドル、営業損失は86百万米ドル、純利益は250百万米ドルでした。詳細は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の注記3(Significant acquisition of businesses and spin-off of Sandoz business)ならびに注記11(Discontinued operations)をご覧ください。

2024年1-9月期(1~9月)

サンドの独立は2023年10月3日に完了したため、2024年1-9月期には非継続事業の業績の計上はありません。2023年1-9月期の非継続事業の売上高は74億米ドル、営業利益は265百万米ドル、純利益は440百万米ドルでした。詳細は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の注記3(Significant acquisition of businesses and spin-off of Sandoz business)ならびに注記11(Discontinued operations)をご覧ください。

ノバルティス全体
2024年第3四半期(7~9月)

2024年第3四半期のノバルティス全体の純利益は、前年同期の18億米ドルから32億米ドルに、基本EPSは、前年同期の0.85米ドルから1.58米ドルに増加しました。ノバルティス全体の営業活動からのキャッシュフローの純額は63億米ドル、フリーキャッシュフローは60億米ドルでした。

2024年1-9月期(1~9月)

2024年上半期のノバルティス全体の純利益は、前年同期の64億米ドルから91億米ドルに、基本EPSは、前年同期の3.05米ドルから4.50米ドルに増加しました。ノバルティス全体の営業活動からのキャッシュフローの純額は134億米ドル、フリーキャッシュフローは126億米ドルでした。

2024年第3四半期の成長の主な原動力

第3四半期の業績は、以下を含む主な成長製品への継続的なフォーカスに下支えされました(第3四半期の売上高の伸びに対する貢献順):

エンレスト(売上高:1,865百万米ドル、実質ベース 26%増)
欧米において心不全適応でガイドラインに沿った治療が採用されたことによる普及拡大があったほか、中国での高血圧症適応の普及拡大があり、需要増に伴う力強い伸びが継続
コセンティクス(売上高:1,693百万米ドル、実質ベース 28%増)
新規適応症の上市(米国における化膿性汗腺炎適応や静注製剤)ならびに主要な適応症での販売量増加が寄与し、主に米国・欧州・新興成長市場で売上高を拡大
Kisqali(売上高:787百万米ドル、実質ベース 43%増)
HR陽性HER2陰性進行性乳がん患者の全生存期間(OS)に関する効果の認知向上、ならびにカテゴリー1 NCCNガイドラインでの推奨が後押しとなり、すべての地域で大幅な増収に
ケシンプタ(売上高:838百万米ドル、実質ベース 28%増)
高い有効性と利便性を併せ持つ自己注射製剤の需要拡大を反映し、増収に;前年同期は、欧州における一時的な収入控除調整に伴うプラスの影響を受ける
Pluvicto(売上高386百万米ドル、実質ベース 50%増)
米国および欧州で売上高が拡大。第3四半期の売上高は、欧州における一時的な収入控除調整による好影響を受ける。生産の制限がなくなり、既存の放射性リガンド療法(RLT)の治療拠点でのシェア拡大、新規治療拠点の開設、紹介先の開拓、新規患者への処方拡大に注力
レクビオ(売上高:198百万米ドル、実質ベース 119%増)
顧客・患者の採用拡大、疾患啓発活動へのフォーカスが寄与し、堅調な伸びが継続
ジャカビ(売上高:500百万米ドル、実質ベース 18%増)
各適応症での力強い需要に牽引され、すべての地域で増収を達成
セムブリックス(売上高:182百万米ドル、実質ベース 72%増)
慢性骨髄性白血病(CML)患者における高いアンメットニーズを反映し、すべての地域で売上高が拡大
タフィンラー・メキニスト併用療法(売上高:534百万米ドル、実質ベース 12%増)
需要拡大が寄与し、主に米国および新興成長市場で売上高が増加
ゾレア(売上高:418百万米ドル、実質ベース 15%増)
主に新興成長市場および欧州で売上高が拡大
ファビハルタ(売上高:44百万米ドル)
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)適応の上市が続くほか、第3四半期にIgA腎症の適応が承認される
イラリス(売上高:372百万米ドル、実質ベース 12%増)
米国・欧州を筆頭に、すべての地域で増収を達成
ルタテラ(売上高:190百万米ドル、実質ベース 19%増)
需要拡大ならびに米国・日本でのより早期治療ラインにおける使用(適応範囲内での)が寄与し、すべての地域で売上高が増加
新興成長市場 *全体で12%の増収(実質ベース)。主にエンレスト、コセンティクス、レクビオの好調により、中国の売上高が18%増(実質ベース)の10億米ドルに拡大

* 米国、カナダ、西欧諸国、日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く全市場

2024年第3四半期および1-9月期 売上高上位20製品

 2024年
第3四半期
前年同期比(%)2024年
1-9月期
前年同期比(%)
 百万米ドル米ドルベース実質ベース百万米ドル米ドルベース実質ベース
エンレスト

1 865

26

26

5 642

28

30

コセンティクス

1 693

27

28

4 545

24

25

ケシンプタ
前年同期の収入控除調整を除く

838

28
55

28
56

2 274

49
61

49
62

Kisqali

787

40

43

2 131

45

48

レボレード

569

-1

0

1 633

-4

-3

タフィンラー・メキニスト

534

11

12

1 531

7

9

ジャカビ

500

17

18

1 449

14

16

タシグナ

419

-10

-9

1 260

-10

-9

ゾレア

418

13

15

1 244

15

17

イラリス

372

11

12

1 096

12

16

Pluvicto
収入控除調整を除く

386

51
37

50
36

1 041

47
42

47
42

サンドスタチン グループ

305

-10

-8

973

-3

-1

ゾルゲンスマ

308

0

1

952

3

4

ルセンティス

245

-33

-32

834

-29

-28

エックスフォージ グループ

174

-7

-4

544

-2

1

ルタテラ

190

19

19

534

17

17

レクビオ

198

120

119

531

129

130

セムブリックス

182

72

72

482

67

69

エクア グループ    

159

-12

-6

458

-15

-8

ディオバン グループ

150

-2

2

450

-3

1

上位20製品 合計

10 292

17

18

29 604

17

19

研究開発関連のアップデート ― 第3四半期の主な進捗

新規承認
Kisqali                                                
(ribociclib)                         
米国食品医薬品局(FDA)は、再発リスクの高いステージⅡおよびⅢのHR陽性HER2陰性早期乳がん(eBC)の患者を含むKisqaliの適応拡大を承認。これに伴い、CDK4/6阻害薬による術後補助療法の対象にリンパ節への転移を伴わない患者が含まれることとなり、対象患者数が約2倍に増加。さらに、欧州医薬品委員会(CHMP)は、10月にKisqaliのeBC適応の承認を勧告。
ファビハルタ                                                
(イプタコパン)                                
FDAは、急激な進行リスクのある原発性IgA腎症の成人患者に対するタンパク尿抑制剤として、ファビハルタを迅速承認。
承認申請に関するアップデート
Pluvicto                                                
(lutetium Lu177 vipivotide tetraxetan)                         
第Ⅲ相PSMAfore試験での肯定的な結果に基づき、タキサン系化学療法前の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者へのPluvictoの適応拡大をFDAに申請。
セムブリックス                                                
(アシミニブ)
初発の慢性期フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML-CP)の成人患者への適応がFDAの優先審査品目(Priority Review status)に指定される。また、同じ適応で、中国・日本を含む主要国際市場でも承認申請中。
ファビハルタ                                                
(イプタコパン)
C3腎症(C3G)適応をEU・中国・日本で申請。
進行中の臨床試験の結果およびその他のハイライト
Kisqali                        
(ribociclib)
主要な第III相NATALEE試験の4年間にわたる事後解析の結果において、ステージⅡおよびⅢのHR陽性HER2陰性早期乳がん(eBC)患者に、内分泌療法(ET)にKisqaliを上乗せした場合、ET単独療法と比べ、再発率が28.5%低減することが示される。この無浸潤疾患生存期間に関する効果は、リンパ節転移陰性の患者を含め、あらかじめ定義されたすべてのサブグループにおいて共通だった。この結果は、有効性に関するすべての副次的評価項目においても一貫しており、全生存期間の改善傾向を示す。安全性および忍容性は、これまでに報告された結果と引き続き同等だった。試験データを2024年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表。
レクビオ                                                   
(インクリシラン)          
レクビオは、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の発症リスクが低いあるいは中程度で、脂質低下療法を受けていない患者を対象とした第Ⅲ相V-MONO試験において、プラセボおよびエゼチミブと比べて、臨床学的に意義があり、統計学的に有意な低比重リポタンパクコレステロール(LDL-C)の低下を立証。ノバルティスは、この試験結果を今後の医学学会で発表予定であり、FDAを含む審査当局と共有する予定。
ケシンプタ                                                
(オファツムマブ)
最近(3年以内に)診断を受けた未治療の再発性多発性硬化症(RMS)患者を対象としたALITHIOS試験の非盲検下延長試験において、最長で6年間にわたり一次治療としてケシンプタを投与することにより、テリフルノミドからの切り替えを行った患者と比べ、身体的な障害および疾患の進行を遅らせることが立証された。
別の米国で実施された第Ⅲb相OLIKOS単一群試験において、静脈内投与による抗CD20療法からケシンプタに切り替えた、臨床学的に安定したすべてのRMS患者で、治療開始から12カ月後に新たなT1強調ガドリニウム(Gd+)造影病変は確認されなかった。両試験のデータを、欧州多発性硬化症学会(ECTRIMS)の2024年年次総会で発表。
Pelabresib                       各審査当局との相談も踏まえて第Ⅲ相MANIFEST-2試験の48週間のデータを検討し、pelabresibの骨髄線維症適応の承認審査の道筋をつけるためには、より長期の追跡期間が必要であると判断した。ノバルティスは、引き続きMANIFEST-2試験の患者さんの追跡を行い、申請をサポートするための追加試験の可能性を検討していく。この48週間の試験データは、今後の医学学会で発表予定。
XXB750                       ノバルティスは、現時点での科学的評価ならびに早期探索的試験データを検討した結果、治療抵抗性高血圧症および心不全の患者に対するXXB750のさらなる開発を進めないことを決定。
提携・買収など                       ノバルティスは、Versant Ventures社と共同で、腎疾患に対する次世代のRNA基盤の医薬品の開発にフォーカスする独立した創薬段階のバイオテクノロジー企業としてBorealis Biosciences社を設立。今回の合意に伴い、ノバルティスは、戦略領域である腎疾患治療薬のポートフォリオを充実させるため、将来的に開発に入る準備が整った2つのプログラムを取得する権利を得る。
ノバルティスは、Generate:Biomedicinesと、複数の疾患に対する生成AIを使ったタンパク質治療の共同研究・開発について合意。この提携は、Generate社のAIプラットフォームと、ノバルティスの標的生物学、生物学的製剤の開発、臨床開発に関する専門知識ならびに研究開発力を掛け合わせ、革新的医薬品の創出および創薬・開発の加速を目指す。

資本構成および純負債額

事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことを今後も引き続き優先します。

2024年1-9月期に、ノバルティスは、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、合計5,270万株の自己株式を57億米ドルで買い戻しました。これには、2023年7月に発表された最大で150億米ドルの自己株式購入(最大で79億米ドルの資金が残る)の一環としての4,540万株(48億米ドル)が含まれています。加えて、社員持ち株制度に伴う希釈化影響を緩和するため、730万株(9億米ドル)が買い戻され、2024年第4四半期にも同じ目的で残りの自己株式の買い戻しを行う予定です。さらに、110万株(株式価値1億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく

2024年1-9月期に、社員持ち株制度関連の株式受け渡しにより、910万株(株式価値8億米ドル)が受け渡されました。この結果、発行済み株式総数は、2023年12月31日時点と比べて4,470万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が50億米ドル減少するとともに、55億米ドルの現金が支出されました。
2024年9月30日現在の純負債額は、2023年12月31日時点の102億米ドルから163億米ドルに増加しました。増加の主な要因は、76億米ドルの年間配当金の支払いと、55億米ドルのM&Aおよび無形資産の取引による現金支出(純額)、55億米ドルの自己株式の取引による現金支出(純額)が、フリーキャッシュフロー126億米ドルによって一部相殺されたことです。

2024年第3四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ・レーティングスがAa3、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。

2024年通期業績予想

不測の出来事を除く;実質ベースの前年比成長率これまでの予想
売上高10%台前半の成長率を予想(一桁台後半から10%台前半の成長率)
コア営業利益10%台後半の成長率を予想(10%台半ばから後半の成長率)


主な前提条件:

  • 業績予想を目的として、ノバルティスは、タシグナ、Promacta(レボレード)、エンレストのジェネリック医薬品が、2025年半ばに米国で上市されると想定しています

 

外国為替の影響

2024年10月後半の為替レートが2024年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2024年通期での外国為替の影響は、売上高に対してマイナス1ポイント、コア営業利益に対してマイナス3~4ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。

免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。

ノバルティスについて

ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。ノバルティスは、患者さん、医療従事者、社会全体と共に病に向き合い、人びとがより充実した健やかな毎日が過ごせるため「医薬の未来を描く (Reimagining Medicine)」ことを追求しています。ノバルティスの医薬品は、世界中で2.5億人の患者さんに届けられています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com
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以上

 

 

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