プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2025年1月31日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照下さい。
2024年通期
- 売上高は12%増(実質ベース1、米ドルベース 11%増)、コア営業利益1は22%増(実質ベース、米ドルベース 19%増)
- 売上高の伸びは、エンレスト(実質ベース 31%増)、コセンティクス(実質ベース 25%増)、ケシンプタ(実質ベース 49%増)、Kisqali(実質ベース 49%増)、Pluvicto(実質ベース 42%増)、レクビオ(実質ベース 114%増)の好調継続に牽引される
- コア売上高営業利益率1は、主に売上高の伸びが寄与し、3.3ポイント増(実質ベース)の38.7%
- 営業利益は55%増(実質ベース、米ドルベース 49%増)、純利益は45%増(実質ベース、米ドルベース 39%増)
- コアEPS1は、24%増(実質ベース、米ドルベース 21%増)の7.81米ドル
- フリーキャッシュフロー1は163億米ドル(米ドルベース 24%増)となり、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与
2024年第4四半期
- 売上高は16%増(実質ベース1、米ドルベース 15%増)、コア営業利益1は29%増(実質ベース、米ドルベース 27%増)
- エンレスト(実質ベース 34%増)、ケシンプタ(実質ベース 49%増)、Kisqali(実質ベース 52%増)、コセンティクス(実質ベース 24%増)、レクビオ(実質ベース 83%増)が引き続き好調で売上高の伸びを牽引
- 研究開発における主なマイルストーン:
- セムブリックス 慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病に対する一次治療薬(1L Ph+ CML-CP)としての適応が、FDAに迅速承認される
- Kisqali ステージⅡおよびⅢのHR陽性HER2陰性早期乳がん(HR+/HER2- eBC)の適応が欧州委員会(EC)の承認を取得
- ファビハルタ(イプタコパン) C3腎症(C3G)適応をFDAに申請;優先審査品目に指定される
- OAV101 IT 脊髄性筋萎縮症(SMA)患者を対象とした第Ⅲ相STEER試験の肯定的なデータを入手
配当金および2025年通期業績予想
- 2024年の年間配当金は、6.1%増の1株当たり3.50スイスフランを提示
- 2025年通期業績予想2 ― 売上高は一桁台半ばから後半の成長率、コア営業利益は一桁台後半から10%台前半の成長率を予想
2025年1月31日、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2024年第4四半期の業績について、次のようにコメントしています。
「革新的医薬品に特化した製薬企業としてのノバルティスの初めての通期業績は、売上高が実質ベース12%増、コア営業利益が実質ベース22%増と、これまでで最も優れた業績を示した年となりました。また、私たちは、新たな承認や数多くの開発プロジェクトの新規データの入手など、中長期での成長を促進する重要なイノベーションにおけるマイルストーンを達成しました。事業が好調を維持していることから、2025年も力強い売上高および利益率の拡大が続くと予測しており、中期業績予想の達成に向け順調に歩みを進めています。将来に向け、私たちは、今後数年間にわたる申請のための15件の新規データの入手や、長期的に差別化可能で成長が見込まれる30以上のプロジェクトを含めたパイプラインの前進にフォーカスしています。私たちは、引き続きバランスのとれた資本配分のアプローチを採用するとともに、株主への持続的な価値創造にコミットしていきます」
主要数値
第4四半期(10~12月)
継続事業3 | ||||
2024年第4四半期 | 2023年第4四半期 | 前年同期比(%) | ||
百万米ドル | 百万米ドル | 米ドルベース | 実質ベース | |
売上高 | 13 153 | 11 423 | 15 | 16 |
営業利益 | 3 530 | 2 582 | 37 | 39 |
純利益 | 2 820 | 2 638 | 7 | 6 |
1株当たり 純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) |
|
|
1.42 | 1.29 | 10 | 10 | |
フリーキャッシュ フロー | 3 635 | 2 141 | 70 |
|
コアベース |
|
| ||
営業利益 | 4 859 | 3 821 | 27 | 29 |
純利益 | 3 933 | 3 126 | 26 | 29 |
1株当たり 純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) |
|
|
1.98 | 1.53 | 29 | 33 |
通期(1~12月)
継続事業3 | ||||
前年比(%) | ||||
百万米ドル | 百万米ドル | 米ドルベース | 実質ベース | |
売上高 | 50 317 | 45 440 | 11 | 12 |
営業利益 | 14 544 | 9 769 | 49 | 55 |
純利益 | 11 939 | 8 572 | 39 | 45 |
1株当たり 純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) |
|
|
5.92 | 4.13 | 43 | 49 | |
フリーキャッシュ フロー | 16 253 | 13 160 | 24 |
|
コアベース |
|
| ||
営業利益 | 19 494 | 16 372 | 19 | 22 |
純利益 | 15 755 | 13 446 | 17 | 21 |
1株当たり 純利益(EPS) | (米ドル) | (米ドル) |
|
|
7.81 | 6.47 | 21 | 24 |
1 実質ベースの数値、コアベースの業績ならびにフリーキャッシュフローは、国際会計基準(IFRS)に準拠していません。IFRSに準拠していない数値の説明は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の47ページに記載されています。本リリースに掲載される成長率は、特に記載のある場合を除き、すべて前年同期に対するものです。2 業績予想の前提条件に関する詳細は、7ページ(英文オリジナル版プレスリリース)をご覧ください。3 要約版業績報告書(英文オリジナル版)の35ページに記載されるとおり、継続事業には、イノベーティブ メディスン事業ならびに継続する企業活動からなるノバルティスに残る事業活動が含まれ、非継続事業には、サンド事業の業績が含まれます。
戦略
事業の集中
2023年、ノバルティスは、革新的医薬品に特化した製薬企業への転換を完了しました。ノバルティスは、4つのコア疾患領域(循環器・腎臓・代謝、イムノロジー、中枢神経、オンコロジー)に明確に焦点を合わせ、この4つの疾患領域のそれぞれに、負担が大きい疾患に対する治療薬であり、大きな成長の可能性を持つ複数の上市済みならびに開発中の製品を持っています。また、ノバルティスは、既存の2つの技術プラットフォーム(低分子医薬品、抗体医薬品)に加え、新たに3つのプラットフォーム(遺伝子・細胞治療、放射性リガンド療法、核酸医薬品)の研究開発力および生産規模の拡大に、優先的かつ継続的に投資しています。地理的な面では、優先地域である米国、中国、ドイツ、日本での成長にフォーカスしています。
優先課題
- 成長を加速:すべてのコア疾患領域における豊富なパイプラインにより、価値の高い医薬品(新規化合物)の供給に再注力するとともに、優れた上市活動にフォーカス
- 株主への還元:卓越した事業運営と財務業績の改善を継続。資本配分における規律と株主中心の継続、ならびに資金生成と、資本の柔軟性を支える強力な資本構成の実現
- 基盤の強化:社員の能力の最大化、データサイエンスおよび技術の規模拡大、社会との信頼関係構築の継続
財務業績
2023年9月15日の株主によるサンドの独立の承認後、ノバルティスは、連結業績報告書を「継続事業」と「非継続事業」に分けて報告しています。
継続事業には、イノベーティブ メディスン事業ならびに継続する企業活動からなるノバルティスに残る事業が含まれます。非継続事業には、サンド事業部門およびサンドの事業に関連する一部の企業活動、さらに、独立に関わる特定の費用が含まれます。
この後の説明は、継続事業に関するものが中心ですが、非継続事業についての情報も提供しています。
継続事業
2024年第4四半期(10~12月)
売上高は、販売量増加による15ポイントの貢献があり、132億米ドル(15%増、実質ベース 16%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は1ポイントとなったほか、主に米国における収入控除調整が寄与し、価格によるプラス影響が2ポイントありました。
営業利益は、売上高の増加が研究開発費の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、35億米ドル(37%増、実質ベース 39%増)となりました。
純利益は、営業利益の増加によるプラス効果が、主に当期の税引き前利益の増加ならびに前期の経常外の税制優遇に伴う法人税の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、28億米ドル(7%増、実質ベース 6%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.42米ドル(10%増、実質ベース 10%増)となりました。
コア営業利益は、売上高の増加が研究開発費の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、49億米ドル(27%増、実質ベース 29%増)となりました。コア売上高営業利益率は、3.4ポイント増(実質ベース 3.7ポイント増)の36.9%となりました。
コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、39億米ドル(26%増、実質ベース 29%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.98米ドル(29%増、実質ベース 33%増)となりました。
継続事業のフリーキャッシュフローは、継続事業にかかわる営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与し、前年同期の21億米ドルから36億米ドル(米ドルベース 18%増)に増加しました。
2024年通期(1~12月)
売上高は、販売量の14ポイントの伸びに牽引され、503億米ドル(11%増、米ドルベース 12%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は2ポイント、価格による影響はありませんでした。
営業利益は、売上高の増加と減損費用、減価償却費ならびに事業再編費の減少によるプラス効果が、前年に係争関連の一時的な収入があったこと、ならびに研究開発費の上昇に伴うマイナス効果により一部相殺され、145億米ドル(49%増、実質ベース 55%増)となりました。
純利益は、営業利益の増加によるプラス効果が、主に当期の税引き前利益の増加ならびに前期の経常外の税制優遇に伴う法人税の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、119億米ドル(39%増、実質ベース 45%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、5.92米ドル(43%増、実質ベース 49%増)となり、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与しました。
コア営業利益は、売上高の増加によるプラス効果が、研究開発費の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、195億米ドル(19%増、実質ベース 22%増)となりました。コア売上高営業利益率は、2.7ポイント上昇(実質ベース 3.3ポイント増)し、38.7%となりました。
コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、158億米ドル(17%増、実質ベース 21%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、7.81米ドル(21%増、実質ベース 24%増)となりました。
継続事業のフリーキャッシュフローは、継続事業にかかわる営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加に伴い、前年の132億米ドルから163億米ドル(米ドルベース 24%増)に増加しました。
非継続事業
非継続事業の業績には、サンドのジェネリック医薬品およびバイオシミラー事業部門、サンドにかかわる一部の企業活動、さらに、サンドの事業の独立に関わるそのほかの特定の費用が含まれます。
2024年第4四半期(10~12月)
サンドの独立は2023年10月3日に完了したため、2024年および2023年の第4四半期には非継続事業にかかわる営業上の業績の計上はありません。2023年第4四半期の非継続事業の純利益は、サンド グループAG株のノバルティスAG株主への配分に伴う国際会計基準(IFRS)ベースでの非現金非課税収益(純額)59億米ドルを含め、58億米ドルでした。詳細は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の注記3(Significant acquisition of businesses and spin-off of Sandoz business)ならびに注記11(Discontinued operations)をご覧ください。
2024年通期(1~12月)
サンドの独立は2023年10月3日に完了したため、2024年通期には非継続事業の業績の計上はありません。2023年通期の非継続事業の売上高は74億米ドル、営業利益は265百万米ドルでした。2023年通期の非継続事業の純利益は、サンド グループAG株のノバルティスAG株主への配分に伴う国際会計基準(IFRS)ベースでの非現金非課税収益(純額)59億米ドルを含め、63億米ドルでした。詳細は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の注記3(Significant acquisition of businesses and spin-off of Sandoz business)ならびに注記11(Discontinued operations)をご覧ください。
ノバルティス全体
2024年第4四半期(10~12月)
2024年第4四半期のノバルティス全体の純利益は、前年同期の85億米ドルから28億米ドルに、基本EPSは、前年同期の4.14米ドルから1.42米ドルに減少しました。減益は、前年同期にサンド グループAG株のノバルティスAG株主への配分に伴う国際会計基準(IFRS)ベースでの非現金非課税収益(純額)59億米ドルが計上されたことによるものです。ノバルティス全体の営業活動からのキャッシュフローの純額は42億米ドル、フリーキャッシュフローは36億米ドルでした。
2024年通期(1~12月)
2024年通期のノバルティス全体の純利益は、前年の149億米ドルから119億米ドルに、基本EPSは、前年の7.15米ドルから5.92米ドルに減少しました。減益は、前年にサンド グループAG株のノバルティスAG株主への配分に伴う国際会計基準(IFRS)ベースでの非現金非課税収益(純額)59億米ドルが計上されたことによるものです。ノバルティス全体の営業活動からのキャッシュフローの純額は176億米ドル、フリーキャッシュフローは163億米ドルでした。
2024年第4四半期の成長の主な原動力
第4四半期の業績は、以下を含む主な成長製品への継続的なフォーカスに下支えされました(第4四半期の売上高の伸びに対する貢献順):
エンレスト | (売上高:2,180百万米ドル、実質ベース 34%増) 欧米において、心不全症としてガイドラインに沿った治療が普及したことに加え、中国・日本において、高血圧症としての治療が浸透したことにより、需要増に伴う力強い伸びが継続 |
ケシンプタ | (売上高:950百万米ドル、実質ベース 49%増) 高い有効性と利便性を併せ持つ自己注射製剤の需要拡大を反映し、すべての地域で増収に |
Kisqali | (売上高:902百万米ドル、実質ベース 52%増) 最近上市された早期乳がん(eBC)適応の力強い伸びに伴う米国での66%の増収(実質ベース)を含め、すべての地域で大幅な成長を示す。Kisqaliの伸びは、HR陽性HER2陰性転移性乳がん(mBC)患者の全生存期間(OS)に関する効果の認知向上、ならびにmBCおよびeBC双方でのカテゴリー1 NCCNガイドラインでの推奨が後押しに |
コセンティクス | (売上高:1,596百万米ドル、実質ベース 24%増) 新規適応症の上市(米国における化膿性汗腺炎適応や静注製剤)ならびに主要な適応症での販売量増加が寄与し、主に米国・欧州・新興成長市場で売上高を拡大 |
レクビオ | (売上高:223百万米ドル、実質ベース 83%増) 顧客・患者の採用拡大、疾患啓発活動へのフォーカスが寄与し、堅調な伸びが継続 |
セムブリックス | (売上高:207百万米ドル、実質ベース 66%増) 慢性骨髄性白血病(CML)患者の高いアンメットニーズを反映し、すべての地域で売上高が拡大 |
Pluvicto | (売上高351百万米ドル、実質ベース 28%増) 米国および欧州で売上高が拡大。供給制限がなくなり、既存の放射性リガンド療法(RLT)の治療拠点におけるシェア拡大、新規治療拠点の開設、紹介先の開拓、新規患者に対する処方拡大に注力 |
ファビハルタ | (売上高:57百万米ドル) 各国において上市が進んでおり、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の効能に関しては全世界的に、またIgA腎症の効能に関しては米国にて、緩やかに市場へ浸透 |
ジャカビ | (売上高:487百万米ドル、実質ベース 13%増) 各効能での力強い需要に牽引され、すべての地域で増収を達成 |
タフィンラー・メキニスト併用療法 | (売上高:527百万米ドル、実質ベース 10%増) 需要拡大が寄与し、主に米国・日本・新興成長市場で売上高が増加 |
ルタテラ | (売上高:190百万米ドル、実質ベース 30%増) 需要拡大ならびに米国・日本でのより早期治療ラインの使用(適応範囲内での)が寄与し、すべての地域で売上高が増加 |
イラリス | (売上高:413百万米ドル、実質ベース 11%増) 米国を筆頭に、すべての地域で増収を達成 |
ゾレア | (売上高:399百万米ドル、実質ベース 9%増) 主に新興成長市場で売上高が拡大 |
新興成長市場 * | 全体で9%の増収(実質ベース)。主にエンレスト、ゾレア、Kisqaliの好調により、中国の売上高が7%増(実質ベース)の8億米ドルに拡大 |
* 米国、カナダ、西欧諸国、日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く全市場
2024年第4四半期および通期 売上高上位20製品
2024年第4四半期 | 前年同期比(%) | 2024年通期 | 前年比(%) | |||
百万米ドル | 米ドルベース | 実質ベース | 百万米ドル | 米ドルベース | 実質ベース | |
エンレスト | 2 180 | 33 | 34 | 7 822 | 30 | 31 |
コセンティクス | 1 596 | 22 | 24 | 6 141 | 23 | 25 |
ケシンプタ | 950 | 48 | 49 | 3 224 | 49 | 49 |
Kisqali | 902 | 48 | 52 | 3 033 | 46 | 49 |
レボレード | 583 | 4 | 5 | 2 216 | -2 | -1 |
タフィンラー・メキニスト | 527 | 8 | 10 | 2 058 | 7 | 9 |
ジャカビ | 487 | 10 | 13 | 1 936 | 13 | 15 |
タシグナ | 411 | -8 | -6 | 1 671 | -10 | -8 |
ゾレア | 399 | 6 | 9 | 1 643 | 12 | 15 |
イラリス | 413 | 10 | 11 | 1 509 | 11 | 14 |
Pluvicto | 351 | 29 | 28 | 1 392 | 42 | 42 |
サンドスタチン グループ | 306 | -3 | -1 | 1 279 | -3 | -1 |
ゾルゲンスマ | 262 | -8 | -6 | 1 214 | 0 | 2 |
ルセンティス | 210 | -30 | -29 | 1 044 | -29 | -28 |
レクビオ | 223 | 81 | 83 | 754 | 112 | 114 |
ルタテラ | 190 | 29 | 30 | 724 | 20 | 20 |
エックスフォージ グループ | 159 | 2 | 8 | 703 | -1 | 2 |
セムブリックス | 207 | 66 | 66 | 689 | 67 | 68 |
エクア グループ | 144 | -6 | 2 | 602 | -13 | -6 |
ディオバン グループ | 140 | -5 | -2 | 590 | -4 | 0 |
上位20製品 合計 | 10 640 | 19 | 21 | 40 244 | 18 | 19 |
研究開発関連のアップデート ― 第4四半期の主な進捗
新規承認
セムブリックス (アシミニブ) | 米国食品医薬品局(FDA)は、セムブリックスの初発の慢性期フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML-CP)成人患者に対する迅速承認を付与。また、FDAは、治療歴のあるPh+ CML-CPの成人患者へセムブリックスの効能を拡大 |
Kisqali (ribociclib) | 欧州委員会(EC)は、Kisqaliとアロマターゼ阻害薬との併用療法を、リンパ節への転移の有無にかかわらず再発リスクの高いHR陽性HER2陰性早期乳がん(eBC)患者に対する術後補助療法として承認。この承認により対象患者数が約2倍に増加。 |
承認申請に関するアップデート
ファビハルタ (イプタコパン) | 米国でC3腎症(C3G)適応を申請。FDAは、ファビハルタの本適応を優先審査品目に指定。またFDAは、諮問委員会開催の必要がないことも確認。 |
進行中の臨床試験の結果およびその他のハイライト
OAV101 IT (onasemnogene abeparvovec) | ノバルティスは、第Ⅲ相STEER試験の肯定的なトップライン結果を発表。この主要試験では、2歳から18歳未満までの座位は可能だが独立歩行を行ったことがない、未治療の脊髄性筋萎縮症(SMA)Ⅱ型の患者に対する開発中のOAV101髄腔内投与の有効性および安全性を評価。本試験は、主要評価項目を達成し、治験対象母集団の全患者が拡大Hammersmith運動機能評価スケール(HFMSE)の合計スコアのベースラインからの改善を示す。HFMSEは、SMAに特化した運動機能および疾患の進行に関する評価基準。 |
Pluvicto (lutetium Lu177 vipivotide tetraxetan) | タキサン系抗がん剤未治療の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者を対象とした第Ⅲ相PSMAfore試験の全生存期間(OS)に関する最終解析において、クロスオーバー未調整の治療意図(intent-to-treat; ITT)集団でのOSのハザード比1.0未満(HR<1.0)を立証。これらの試験結果をPluvictoの本適応に関する承認審査のためのデータの一部として、FDAと共有。 |
Kisqali (ribociclib) | ステージⅡおよびⅢのHR陽性HER2陰性eBC患者を対象とした主要な第Ⅲ相NATALEE試験の最新解析結果において、Kisqaliと内分泌療法(ET)の併用では、ET単独と比べ、遠隔再発率を28.5%持続的に抑制し、Kisqaliの治療期間である3年を超える長期の有効性を確認。安全性に関する新たな兆候は、確認されなかった。試験データをサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)で発表。 さらに、Kisqaliは、NCCNガイドライン®により、HR陽性HER2陰性eBC患者に対するアロマターゼ阻害薬との併用療法としてカテゴリー1の推奨を受ける。Kisqaliは、リンパ節転移の有無にかかわらずハイリスクの患者に対して、カテゴリー1の推奨を受けた唯一のCDK4/6阻害薬。また、Kisqaliは、the European Society for Medical Oncology – Magnitude of Clinical Benefit Scale (ESMO-MCBS)において、eBCに対し最も高いスコア(A)を達成し、mBCに対しても5および4を維持。 2025年1月、ノバルティスは、ジェネリック医薬品企業との訴訟において、Kisqaliの米国における物質特許が少なくとも2031年第1四半期まで継続することを確認し、和解した。 |
セムブリックス (アシミニブ) | ASC4FIRST試験は、初発のPh+ CML-CP成人患者に対する、セムブリックスと治験医師が選択するすべての標準治療チロシンキナーゼ阻害剤(イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ)、並びにイマチニブを比較する第III相試験であり、96週時点の結果において、セムブリックスの優れた分子遺伝学的大奏効(MMR)が持続することを立証。セムブリックス投与群では、イマチニブ投与群および第二世代チロシンキナーゼ阻害剤投与群の双方と比べ、グレード3以上の治療関連の有害事象がより少なく、治療中断につながる有害事象の発症率が2分の1に抑制される。試験データを米国血液学会(ASH)で発表。 |
ファビハルタ (イプタコパン) | 第Ⅲ相APPEAR-C3G試験において、支持療法に経口のファビハルタを上乗せしたC3G患者では、臨床的に意味のあるタンパク尿の減少が12カ月時点で持続。また非盲検投与期では、ファビハルタに切り替えた患者でタンパク尿の減少が認められ、さらにファビハルタの投与開始によって、過去の急速な低下と比較してeGFRスロープの改善が認められた。ファビハルタは、引き続き良好な安全性プロフィールを示す。試験データを米国腎臓学会(ASN)で発表。 |
提携・買収など | ノバルティスは、PTC Therapeutics社と、ハンチントン病に対する初の経口疾患修飾薬となる可能性があるHTT mRNAスプライシング制御薬PTC518に関する全世界でのライセンス・提携について合意。今回の合意に伴い、ノバルティスは、2025年上半期に見込まれる第Ⅱ相PIVOT-HD試験のプラセボ群の試験終了後、PTC518の開発・生産・販売を担当する。 ノバルティスは、Kate Therapeutics社を買収。同社は遺伝子学的に定義された神経筋疾患に対するアデノ随伴ウィルス(AAV)を基盤とした遺伝子治療開発に特化した前臨床段階のバイオテクノロジー企業。この買収により、ノバルティスの遺伝子治療および神経科学分野のイノベーションへの取り組みが強化されるとともに、それを可能とするプラットフォームならびにいくつかの前臨床段階の候補化合物を手に入れる。 ノバルティスは、Ratio Therapeutics社と、次世代SSTR2標的放射線治療薬の候補化合物の全世界でのライセンシング・提携について合意。今回の提携は、前臨床研究ならびにSSTR2を標的とする候補化合物の選定にフォーカスしており、その後の開発・生産・販売はノバルティスが主導する。 |
資本構成および純負債額
事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことを今後も引き続き優先します。
2024年通期に、ノバルティスは、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、合計7,750万株の自己株式を83億米ドルで買い戻しました。これには、2023年7月に発表された最大で150億米ドルの自己株式購入(最大で54億米ドルの資金が残る)の一環としての6,880万株(73億米ドル)が含まれています。加えて、社員持ち株制度に伴う希釈化影響を緩和するため、870万株(10億米ドル)が買い戻されました。さらに、120万株(株式価値1億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2024年通期に、社員持ち株制度関連の株式受け渡しにより、980万株(株式価値11億米ドル)が受け渡されました。この結果、発行済み株式総数は、2023年12月31日時点と比べて6,890万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が74億米ドル減少するとともに、83億米ドルの現金が支出されました。
2024年12月31日現在の純負債額は、2023年12月31日時点の102億米ドルから161億米ドルに増加しました。増加の主な要因は、83億米ドルの自己株式の取引による現金支出(純額)と、76億米ドルの年間配当金の支払い、63億米ドルのM&Aおよび無形資産の取引による現金支出(純額)、が、フリーキャッシュフロー163億米ドルによって一部相殺されたことです。
2024年第4四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ・レーティングスがAa3、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。
2025年通期業績予想
不測の出来事を除く;実質ベースの前年比成長率 | |
売上高 | 一桁台半ばから後半の成長率を予想 |
コア営業利益 | 一桁台後半から10%台前半の成長率を予想 |
主な前提条件:
- 業績予想を目的として、ノバルティスは、タシグナ、Promacta(レボレード)、エンレストのジェネリック医薬品が、2025年半ばに米国で上市されると想定しています
外国為替の影響
2025年1月後半の為替レートが2025年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2025年通期での外国為替の影響は、売上高に対してマイナス2ポイント、コア営業利益に対してマイナス3ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。ノバルティスは、患者さん、医療従事者、社会全体と共に病に向き合い、人びとがより充実した健やかな毎日が過ごせるため「医薬の未来を描く (Reimagining Medicine)」ことを追求しています。ノバルティスの医薬品は、世界中で2.5億人の患者さんに届けられています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com
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以上
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